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芸妓・佳つ雛「舞披露と撮影会」 京都店8周年 特別イベントレポート

芸妓・佳つ雛「舞披露と撮影会」 京都店8周年 特別イベントレポート

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2020年秋に8周年を迎えた京都きもの市場・京都店。特別イベントとして「きものと」のコラムでも人気の祇園甲部芸妓・佳つ雛さんがお越しになられました!東京オリンピックの聖火ランナーにも選出されている佳つ雛さん。今回は、芸妓さんとしての魅力をたっぷりとご披露いただきました。

祇園甲部芸妓・佳つ雛さんのご紹介

佳つ雛さん

佳つ雛さんは、栃木県宇都宮市出身。
2011年に祇園甲部の舞妓としてデビューし、2017年に芸妓へ衿替え(舞妓を卒業して芸妓になること)。
日々芸を磨きつつ日本の伝統文化を発信されていらっしゃいます。

2019年に放送されたNHK大河ドラマ『いだてん』を視聴したのをきっかけにオリンピックに興味を持ち、また他界されたおじいさまが常々「2回目の五輪を見たい」とおっしゃられていたことから東京オリンピックのランナーに志願。見事選出されています!
他、栃木県の「未来大使」も務められるなど大活躍の佳つ雛さん。
本当に優しくかわいらしい方で、素直な笑顔にお人柄があらわれています。
(花街の日常を綴った「きものと」での連載が人気の理由も納得です!)

「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」
https://www.kimonoichiba.com/media/colum_category/katsuhina/
・未来大使についてはこちら
https://www.kimonoichiba.com/media/column/277/

コロナ禍において少人数制での開催でしたし、また遠方の方などご参加が難しかった方にも、当日のムードをお伝えできればと思います!

15:00 準備タイムに楽屋訪問♪

佳つ雛さんの後ろ着姿

今回佳つ雛さんがお召しになられた衣裳は、佳つ雛さんが職人さんにお願いし、生地から図案・染めまで一から誂えたお引きずりでした。

こちらに詳しく書かれています♪
秋の着物や舞台など 「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」vol.8
https://www.kimonoichiba.com/media/column/277/

紗綾形に菊花の地紋のつややかな綸子地が桜がかった藤色に染められ、観世流水に春秋の花模様がとっても女性らしい印象のお衣裳。
萌黄色地に白・黄・橙のコントラストが華やかな、菊菱模様の西陣織帯を合わせられています。
密な織りくちの帯地に、着物との色合わせの妙がさすがのコーディネート。
京は祇園・花街らしいはんなりとした古典の装いに、期待感が高まります。

佳つ雛さんが専用の櫛でかつらを整える様子

今回レポートをさせていただくにあたり、楽屋訪問もさせていただきました。

ご出演の前にいろいろとお話を伺うと…
舞台の前に着物が崩れているかの確認はもちろん大事だけれども、かつらの形もしっかり確認しながら専用の櫛でかつらを整えるんですよ、とのこと。
かつらは大変デリケートで、いつも専用のあぶらをつけながら、櫛で梳かしたり整えたりしているそう。

櫛で整える姿も、まるで一幅の絵画のようですね!

基本のお手入れはご自身でできるそうですが、かつらはほこりが付いてしまったり形が崩れてしまったりするので、定期的に職人さんにお願いし、メンテナンスもされているそうです。

佳つ雛さんのかつら

そしてなんと、かつらに刺す櫛とかんざしは、季節によって決まっているとのこと!

佳つ雛さんがさしていたかんざし

◆かんざしは…

10月~5月まで 赤玉付きのかんざし
6月~9月まで(夏の時期) 青玉(翡翠)付きのかんざし

◆櫛は…

10月~5月まで 塗りや鼈甲(べっこう)のもの
6月~9月まで(夏の時期) 銀製のものなど

夏はひんやりと涼を演出されるのですね。

もちろん着物の色柄も、季節によって様々なコーディネートを考えながら着装されているそう。
お衣裳から小物までこだわられるところは、まさに日本の伝統文化の結晶。感動してしまいます!
そして一番に驚きましたのは、お化粧も含めてお着物・かつらの着装時間がなんとわずか30分ということ!
一般の方が着物を着装されるよりも早くていらっしゃるのではないでしょうか…

15:30 いよいよご出演!京おどり『東山名所』

今回舞っていただきましたのは、舞妓さんになるために必ず習得されるという『東山名所』。

佳つ雛さんが踊る様子
佳つ雛さんが京おどりをした様子
佳つ雛さんが踊る様子

真っ白な肌に鮮やかな紅色の唇。
はんなりとした着姿で、指先までに神経を行きわたらせた優雅な舞…
完成された世界観がありました。

イベントの様子

少人数での開催でしたが、参加者もマスク着用必須、会話もできる限り控えてくださいという万全の体制にて鑑賞。

それにしても…ご参加のみなさまもステキなお着物姿の方ばかり!
コロナ禍におきましても、着物ファンの着物愛は尽きることがございませんね。

15:50 トークショー「今しかできひんこと、舞妓・芸妓の世界へ」

舞披露の後は、そのままトークショーへ。
舞妓さんになったきっかけには、いろいろと不思議なご縁があったそう。

トークショーの様子
佳つ雛さんが語る様子

「中学生の時、偶々『都をどり』を観に行ったのがきっかけで、舞妓さんに憧れるようになりました。

面接の時に「栃木県宇都宮市の出身です」と言ったら「うちの置屋にも栃木県宇都宮市の子がいはって、病気でやめてしもたんやけども」とおっしゃられ、後で学校の先生にその話をすると「前にいた生徒が舞妓さんになったよ」とのことで、その先輩がなんと私と同じ学校の出身やったということがわかりました。

そのまま高校・大学まで進んで勉強するのももちろんええんですが、今しかできひんことを優先してもええかなと思って。ほんまにうちは無知な状態で舞妓・芸妓の世界へ入らせてもらいました」

16:10 ご参加のみなさまと撮影会

佳つ雛さんのステキな笑顔

最後に、ご参加のみなさまおひとりずつと佳つ雛さんの撮影会です!
なかなかない機会にみなさまお喜びでしたし、何より佳つ雛さんのこの笑顔!
ご参加の方からは、「美しいのに、なんだか妹のように感じる人なつこさが、本当にかわいらしい方ねぇ」というお声も。

佳つ雛さんの千社札

おでかけしにくい状況下でも足を運んでくださったみなさまには、千社札(せんじゃふだ:芸舞妓さんの名刺のようなもの)をお渡しくださいました。

舞妓さんの千社札といえば「舞妓=舞い込んでくる」からお財布に貼ると”金運アップ”と言われるものですが、実は…芸妓さんの千社札はさらに「元舞妓=もっと舞い込んでくる」と言われる縁起ものですね!!

ちょうど秋の時期でしたので、千社札も秋らしい紅葉が背景に入ったものでしたよ。

「きものと」コラム『佳つ雛日記』も必読!

「きものと」でのコラムは、花街の日常を月に1度更新されているとのこと。
舞妓さん時代のお写真も織り交ぜながら、佳つ雛さんらしい目線で語られていますよ。

「京都・祇園甲部芸妓、佳つ雛日記!」
https://www.kimonoichiba.com/media/colum_category/katsuhina/

コロナ禍で花街も休業になったりと何かと大変な時ですが、このような時ですから一層、日本の伝統を受け継ぐ花街の文化を応援したいものですね。
佳つ雛さん、ご参加のみなさま、京都店スタッフの方々、ありがとうございました!

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