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大久保 信子先生トークショー「季節の着こなし」 単衣の時期に向けて聞いておきたいワンポイント講座の模様をお届け!

大久保 信子先生トークショー「季節の着こなし」 単衣の時期に向けて聞いておきたいワンポイント講座の模様をお届け!

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京都きもの市場 銀座店の5周年イベントの1つとして、大人気着物スタイリスト・大久保 信子先生のトークショーが開催されました。 今回のテーマは「季節のきこなし」。これから到来する単衣の時期に役立つ様々なこと、是非みなさまもご確認ください。

2020年2月14日、京都きもの市場 銀座店―――
銀座店開店5周年記念企画の一つとして、あの大久保信子先生をお招きした講演会が開かれました。
当日は、宮古上布が特集として集められていたこともあり、これからの季節、単衣、夏物についての興味深いお話が、次々と飛び出して参りました。
ご出席の方々も、平日昼間でしたのに、半分以上が着物姿という、さすが着物好きの聖地、京都きもの市場銀座店でございます。
レポーター / エッセイスト 孫次郎

着物の組み合わせを考えている時が1番幸せの、孫次郎でございます。
日本文化が大好きで、小面を打ったり、源氏物語を原文で読んだり、楽しんでおります。

まずは、菅野店長によるご挨拶
続いて講師大久保信子先生のご紹介
そして、先生のお話に、菅野店長が質問する形で、進行して行きました。

まずは夏物の気をつける点についてから。
宮古上布は究極の夏物であり、
他人が見ていて涼しげに着て欲しいとのこと。
だから、お化粧の厚塗りはNG。

普段のお手入れとしては、着ていると、どうしても上がってきてしまうので、洗面所で袖などに霧吹きでシュシュッと水を吹きかけると良いそうです。
又、着た後は、背中などに霧吹きして、体臭などを飛ばすと良いとのこと。

又、小千谷縮などの麻着物お手入れ方法は、普段は洗剤無しの押し洗い。
洗った後はロールパンのようにバスタオルでくるんであらかた水分を吸わせて、生乾き状態になったら、影干し。
ただし着物に汗は大敵なので、シーズン最後はプロに任せてクリーニングして欲しいとのこと。
又、麻の着物には麻の半衿がお勧めだそうです。

着付けアイディアとしては、長襦袢が短めで、脚がにょっきり透けて見えてしまう場合には、腰巻、裾除けを上にすると良いとのお話でした。
初耳学ですね。
又、布ベルトよりも腰紐の方が背が伸びるとのこと。
手拭いを伊達締め代わりにするアイディアもあるとのことです。
基本の単衣の時期
立夏(5月上旬)を過ぎたら着用OK。
6月1日を過ぎたら小物(帯揚げ、半衿)は夏物に替えること。
帯締めは、涼しげなボテッとしていない物を選ぶこと。
10月1日には塩瀬の半衿に替えること。

ただ単衣の着用時期は、温暖化の影響もあって、今は変わりつつあります。
近頃は暑くなるのが早くて、4月から単衣を解禁することも。
「ちゃんと決まりは知っているけれど、私はこれが良いのよ」とのスタンスでOK、とのことでした。

今回のお店の特集が宮古上布でしたので、大久保先生にコーディネートをお願いしました。
上布は節目が無く、麻で涼しいのですが、左奥のテカテカと光っている物は珍しいとのことでした。

二組、コーディネートをして下さいました。
さすがの組み合わせ、素敵ですね。

ところで、太陽光とオゾンで漂白作用となる、新潟などでされている雪さらしに対して、八重山上布は海さらしをするそうです。
海さらし、初めて聞く言葉です。
着物の世界、本当に奥深いですね。
他にも季節に限らず、大久保先生ならではの着付けやコーディネートに関することも、教えてくださいました。
帯のお太鼓の上線が横に真っ直ぐなのは銀座のママさん、素人さんは端を丸くするって、皆様ご存知でしたか?
確かに、着姿は素敵なのだけれど、髪型、化粧などを拝見していて、
この方は、ママさん路線を目指しておられるのかしら?と感じる方をお見掛けすることって有りますよね。
残念ですが…。
私達が目指すのは、あくまでも素人奥様路線。
再確認でございました。
また、一般論として、着物よりも帯の方が年齢的に許容範囲が広く、「帯に派手なし」と言う言葉が有るそうです。
20歳の時の帯をお正月に締めたりするのもOKだそうです。
思わず、帰宅してから箪笥を覗いてみる気持ちになりました。

叉、究極の模様は、格子と縞柄だそうです。
着物にまつわる様々なお話の数々。
豊穣な時間でした。

レポートは、孫次郎でございました。
京都きもの市場 銀座店では、毎月イベントを開催!
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